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ハリー・ポッター聖地巡礼ガイド:一度は訪れたい魔法の場所

石畳の道に置いてあるグリフィンドールのスカーフが入った古いスーツケース

あなたも「ホグワーツ特急」に乗って魔法の世界へと旅立ちたいと夢見たことはありませんか?

今回は、そんな誰もが一度は体験したい「ハリー・ポッターの世界」へのトラベルガイドをご用意しました。

ロンドンの繁華街からスコットランドのハイランド地方まで、伝説の撮影場所をカバーした旅程です。

ハリー・ポッターのロケ地巡りを計画している方も、イギリス全土でのロードトリップを考えている方も、このガイドを読んで旅行計画の参考にしてください。

さあ、大きなバッグとタイムターナーを身につけて、魔法の旅に出発です!

ハリー・ポッターのロケ地はどこ?撮影場所に隠された魔法

ハリー・ポッターシリーズが大ヒットしたのは、単なる映画の成功だけではありません。そこには、文化的な真実味を重視した決断がありました。

ワーナー・ブラザースは、J.K.ローリングの世界を映像化する際、あえてイギリス国内にロケを限定する大胆な選択をしました。それは単なるロケ地の調整や予算の問題を超えた、ローリングが描いた魔法の世界は誇り高きイギリスのものであるという、彼女の願いを尊重した決定だったのです。

だからこそ、すべての城や廊下、険しい岩場までもが、そのビジョンを忠実に映し出しています。プリベット通り4番地(ダーズリー家)の最初のシーンからホグワーツの最終決戦まで、すべてが歴史と伝統に根ざしたリアルな魔法の世界を作り上げているのです。

また正直なところ…本物の中世城塞をわざわざ建てる必要はなかったのです。イギリスには何世紀も前から実在する場所が数えきれないほどあります。これらの歴史的なロケーションは、まさに魔法の舞台そのものであり、人工的に再現しようとすると莫大なコストがかかるものでした。

そして、ロケ地だけでなく、キャストも全員イギリス人

あのロビン・ウィリアムズもハリー・ポッターの映画出演を夢見ていたといわれていますが、彼は『ミセス・ダウト』の頃、クリス・コロンバス監督と共演した縁から、自らキャスティングの打診をしたというのです。彼はハグリッドかロバート・ルーピン教授役に強い思い入れを持っていたそうです。想像してみてください!

でも、残念ながら、ロビン・ウィリアムズもイギリス人キャスティングの厳しいルールを突破できず、オーディションすら許されませんでした。まさに、「リアリティへの徹底したこだわり」の証です。

金色の光の渦に囲まれた魔法の回廊

イギリス:ハリー・ポッターの世界の中心地

イギリスは、ハリー・ポッターをテーマにした旅の魔法の中心地。数多くの撮影場所が密集し、まるで魔法の宝の山のようです。飛行機を降りた瞬間から、「ハリー・ポッターのロケ地はどこ?」という疑問がワクワクする宝探しの旅へと導くでしょう。

この旅の魅力は、比較的小さなエリアに詰まった多彩な体験にあります。時間が限られている場合でも、朝イチでまずはホグワーツの教室としても使われた古い大学のホールを探索し、午後はロンドンの活気あふれる魔法のスポットを巡り、夜はハリー・ポッターのスタジオツアーで締めくくる―そんな贅沢な過ごし方が可能です。

でも、旅は一瞬一瞬を大切に楽しむのが一番。せかせかせず、じっくりと魔法の世界に浸りましょう。これはただの観光ではなく、ハリー・ポッターが撮影された場所で魔法の世界を五感で感じる体験です。ぞくっとするような感動を味わえるはずです。

短い週末の小旅行でも、長期のロードトリップでも、イギリスのハリー・ポッターロケ地巡礼はどんなファンにも、どんな予算にもぴったりの場所。何よりも素晴らしいのは、すべてが気軽に訪れることができる点。複雑な手配や高額なツアーに頼る必要はありません。自分だけの魔法の冒険を気軽に作り出せるのです。

ロンドン:魔法界の秘密が隠された魔法使いの街

ロンドンはまさに魔法界のタイムズスクエア。にぎやかで象徴的で、魔法のスポットがギュっと詰まっています。もし「どこから始めればいい?」と迷ったら、まずはロンドンへ行ってみましょう。多くのハリー・ポッターのロケ地は徒歩圏内に集まっており、一日でいくつも巡ることが可能です。

歩きながら自分だけのハリー・ポッターツアーを作り出し、夢の場所を次々と訪れてみてください。複雑な交通手段や宿泊の手配も不要です。靴を履いて、冒険心を持って出かけるだけ。


キングス・クロス駅 — 9¾番線

多くの人が写真を撮りたくなる、ハリー・ポッター世界で最も有名なスポットです。ここは単なるロケ地を越え、魔法の世界の聖地とも呼べる場所。壁の向こうに消える有名な荷物カートや、すぐ隣にあるハリー・ポッターのお土産ショップもインスタ映え間違いなし。この駅は、「ホグワーツの生徒たちの冒険はどこから始まるの?」という問いの答え。まさに、普通の世界と非日常が交差する場所です。


セント・パンクラス・ルネッサンス・ホテル

実際にはホグワーツの学生が宿泊することはありませんが、その壮麗なヴィクトリア朝ゴシック様式の外観は、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で一躍有名になりました。ここは、ハリーとロンがホグワーツ特急に乗り遅れ、空飛ぶフォード・アングリアで飛び立つシーンで登場します。そのダイナミックな建築は、魔法のいたずらにふさわしいゲートウェイです。


セント・ポール大聖堂 ― 占いらせん階段

ロンドンで最も“ホグワーツっぽい”体験のひとつが、セント・ポール大聖堂。荘厳な建築美だけではありません。実はこの大聖堂の南西の鐘楼にある螺旋階段が、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でトレローニー先生の教室へ続く「占い学の塔」の階段として登場しました。急勾配でぐるぐると続くこの階段、まさに魔法そのもののような雰囲気です。


レドンホール・マーケット ― ダイアゴン横丁

ビクトリア朝時代の美しい屋内市場、レドンホール・マーケットは『ハリー・ポッターと賢者の石』でダイアゴン横丁の入り口として撮影されました。カラフルなショップの外観や、装飾が施された鉄骨のアーチなど、映画の世界そのままの光景が広がります。特に「ブルズ・ヘッド・パッセージ」付近では、あの「漏れ鍋」の入り口シーンが撮影されました(実際には眼鏡屋さんですが…!)。ここを歩けば、魔法界のショッピング街に迷い込んだような気分になります。


ミレニアム・ブリッジ

近未来的なデザインが印象的なこの鋼鉄の歩道橋は、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で死喰い人たちがロンドンを襲撃し、橋を破壊するという迫力満点のシーンで登場しました。現実の橋はご安心を――今も無事に架かっていて、普通に渡れます。死喰い人も今のところ目撃されていません(たぶん)。

豆知識:実はこの橋、原作の時代設定には登場しないのです。というのも、橋が開通したのは2000年。一方、映画で描かれた襲撃は1996年の設定。まさに“映画の魔法”ですね。


オーストラリア・ハウス ― グリンゴッツ魔法銀行

ロンドンにある在英オーストラリア高等弁務官事務所の壮麗な大理石の内装は、初期の映画シリーズで「グリンゴッツ魔法銀行」のホールとして使われました。きらめくシャンデリアやそびえる柱、贅沢な床など、魔法界の銀行にふさわしい豪華さ。建物内は一般公開されていませんが、外観を眺めるだけでも雰囲気は十分。ドアの向こうにゴブリンたちがガリオン金貨を数えている様子が、思わず目に浮かびます。


スコットランド・プレイス ― 魔法省の入り口

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で、ハリーとアーサー・ウィーズリーが赤い電話ボックスを使って魔法省へ入るシーンがありましたよね。あの撮影が行われたのが、ホワイトホール近くのスコットランド・プレイスです。電話ボックス自体は映画用のセットですが、周囲の通りは実在のもの。ここを歩けば、まるで魔法省に足を踏み入れるような気分に。


ランベス橋 ― ナイトバスの激走

『アズカバンの囚人』で登場した、あの三階建てナイトバスがロンドン市内を猛スピードで駆け抜けるシーン、覚えていますか? その中で、ナイトバスが2台のダブルデッカーの間をすり抜けるシーンが撮影されたのが、このランベス橋です。今も橋の上に立てば、魔法のブレーキ音が聞こえてくる…かもしれません(ただのロンドンの渋滞音という説も)。


ピカデリー・サーカス ― アパレートで逃走

『死の秘宝 Part1』で、ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人が、バロウ家の結婚式から逃れてアパレート(瞬間移動)した先が、ロンドンの中心であるピカデリー・サーカス。ほんの一瞬の登場ですが、あの喧騒の中を歩けば、逃走劇の緊張感がよみがえってくるかも。そして、ふとフィッシュ&チップスが食べたくなるかもしれません。


ロンドン動物園・爬虫類館

そして忘れてはならないのが、ハリーが初めて“パーセルタング”(蛇語)を話したあの場所。爬虫類館はリニューアルされ、ヘビたちは現在、園内の別エリアに移されていますが、ハリー・ポッター聖地巡礼の完全版を目指すなら外せないスポットです。

ちなみに、ブラジルニシキヘビが最近脱走したという話は聞いていませんし、ハリーの子どもたちがうっかりヘビを解き放つ…なんて“家族の伝統”も続いていないことを願いたいですね!

魔法学校の紋章と杖が描かれたイギリスの羊皮紙地図

ワーナー・ブラザーズ ハリー・ポッター スタジオツアー ロンドン:ファン必見の究極体験

ハリー・ポッターの世界を本気で体感したいなら、ワーナー・ブラザーズのスタジオツアーは絶対に見逃せません。ただの「撮影ロケ地めぐり」ではありません ― ここは魔法体験の本丸。映画に登場したオリジナルのセット、衣装、小道具、そして撮影の裏話すべてが詰まっています。

「ホグワーツの内部はどこで撮られたの?」と聞かれたら、たいてい答えはここ、リーブスデン・スタジオにたどり着きます。実際の大広間へ足を踏み入れた瞬間、ホグワーツからの入学許可証を受け取る夢にワープしたような気持ちになります。四つの寮の長机? あります。宙に浮かぶろうそく?(正確には吊ってあるけど) あります。画面で使われた本物の小道具? 隅々に存在しています。

でも、このツアーが他のどの撮影地巡りとも異なるのは、没入感のレベルです。実際にダイアゴン横丁のセットを歩いたり、ホグワーツ特急に乗ったり、禁じられた森を探検したりできます ― 実寸大のアニマトロニクスもあって、あなたのドキドキを刺激してくるかもしれません。さらに、映画通りの構成で再現された「9と¾番線」もあって、まさに映画そのままのホグワーツ行き出発シーンが味わえます。


訪問を計画するにあたって

このハリー・ポッター・スタジオツアーは、ロンドン北西、約20マイルの場所にあるリーブスデンにあります。特に祝日や学校の長期休み期間は、事前予約が必須。大人のチケットは約 £56 から。滞在時間は最低でも 3~4 時間を見ておきたいところです。焦らず、ひとつひとつ魔法の細部を味わえるように。

アクセスは意外と簡単。ロンドン・ユーストン駅から20分で到着するワトフォード・ジャンクション経由の直通シャトルバス、あるいはレンタカーやツアー会社利用も可能。どのルートを選んでも、ハリー・ポッターツアーガイドに絶対加えたい場所です。


ファンのお気に入り

  • バタービール ― ホット、アイス、アイスクリーム形態もあり。甘いけど、飲む価値ありです。
  • 魔法杖振りのデモンストレーション ― 「スウィッシュ・アンド・フリック」でフィリウス・フリットウィック教授の言いたかったこと、理解できます。
  • 巨大なホグワーツ城模型 ― シリーズを通じて広角ショットで使われたもの。圧倒されます。
  • プリベット通り(ダーズリー家) ― セット内には造作された内装・外装が完全再現されています。元の外観撮影はブラックネルのピケット・ポスト・クローズ12番地で行われましたが(現在も個人宅)、この複製があればマグルの目を気にせず探索できます。

途中で立ち寄りたい魔法スポット

スタジオツアーに向かう途中、もし時間に余裕があれば立ち寄れる隠れたロケ地をいくつか:

  • Dowding Way, リーブスデン ― 『アズカバンの囚人』でナイトバスにハリーが拾われた場所。スタジオからすぐ近くなので、立ち寄るにはちょうどいいドライブポイント。
  • ハロウ校(Harrow School) ― 『賢者の石』でフリットウィック教授の呪文学クラスのロケ地に使われた学校。事前予約すれば校内見学も可能。ちょっとウィンガーディアム・レビオーサの練習なんてしてみたくなります。

霧の夜の街の赤い電話ボックスと蒸気機関車

知る人ぞ知る、ロンドン近郊の隠れたロケ地

時間と車、そして運転の自信がウィーズリー家の空飛ぶ車以上であれば、ロンドンから 1~2 時間圏内にも映画に登場したロケ地があります。ファンであればぜひ足を伸ばしたい場所です。

  • ブラック・パーク(バッキンガムシャー、ウェクシャム) ― ハグリッドの小屋周辺、禁じられた森、ホグズミード駅などのシーン撮影に使われた森。
  • バーナム・ビーチズ(バッキンガムシャー) ― 『不死鳥の騎士団』でルーナがハリーにセストラルを見せる森の風景。『死の秘宝:パート1』の複数の森林シーンにも登場します。
  • バージニア・ウォーター(サリー) ― 湖が「黒い湖」の一部として使われた場所。ホグワーツ敷地近辺の木々の並びも見覚えがあるかもしれません。
  • スウィンリー・フォレスト(バークシャー) ― 『死の秘宝:パート1』で三人が旅する中でキャンプした森。もし分霊箱なしでオフグリッド気分に浸りたいなら。
  • サービトン駅(ロンドン南西部) ― 『謎のプリンス』でダンブルドアがハリーを見つけたカフェ前の駅。登場時間は短いですが、完璧主義者には嬉しい“補完スポット”。
  • ラコック修道院(ウィルトシャー) ― 夜の杖の灯りによる散歩シーン、クィレル教授の闇祓い教室、スネイプ教授のポーション教室、ハリーが初めて“鏡”に出会う場所など、多くの内部廊下シーンがここで撮られました。

ホグワーツ:魔法が住まう場所とは?

すべてのハリー・ポッター・ファンが抱く大きな疑問:「ホグワーツはどこにあるの?」「ホグワーツは実在する城なの?」 実はその答えが、この旅をさらに素晴らしいものにしています。

ホグワーツは “一つの訪れるべき城” というものではなく、いくつもの英国のロケーションが魔法の瞬間ごとに選ばれて構成されたものです。「ホグワーツはどこで撮られたか」という問いを追うことで、むしろ複数の城、大学、風景を巡ることになり、ホグワーツ本来の魔法の多様性が見えてくるのです。


ホグワーツを実感する場所:オックスフォード

もし“リアルなホグワーツ感”を追求するなら、オックスフォード大学は絶対に外せません。ただの観光地ではなく、ハリー・ポッター撮影ロケ地が最も集中している場所のひとつだからです。

ゴシック建築、古びた石の回廊、謎めいた階段 ― これらはもはや映画の魔法を必要としません。実在する魔法そのもの。

クライストチャーチ
ハリーがマクゴナガル教授と出会った大階段や、ジェームズ・ポッターがグリフィンドールのシーカーとして現れた回廊、そして大広間セットのインスピレーションを与えた食堂など、まさにホグワーツ巡礼の基盤。現地を歩けば「ここでハリー・ポッターが撮影された」というゾクッとする感覚が身を包みます。

ニュー・カレッジ
『炎のゴブレット』で、マッドアイ・ムーディがマルフォイをフェレットに変えた場面は、この学院の中世風回廊で撮られました。中庭も三大魔法学校対抗戦の舞台として使われ、ホグワーツ生徒の “Potter Stinks” バッジの掲示場面もここで登場します。

ボドリアン図書館
ハンフリー公図書館はホグワーツ図書館、特に禁書の棚 (Restricted Section) を象徴する空間として使われました。暗い木製の本棚、鎖で繋がれた書物、静寂の中に漂う魔法の気配 ― まさに魔術図書館です。

神学部
この空間は、ホグワーツの保健室(クィディッチでのケガ回復シーン)や『炎のゴブレット』の舞踏室として使用されました。扇状の天井や石造りの構造が、荘厳かつ親密な雰囲気を演出します。

ちょっと足を伸ばせば、オックスフォード近郊には ブレナム宮殿 (Blenheim Palace) もあります。スネイプ教授がいじめられた木の下の場面があった場所。心臓の強い方におすすめ。

リュックを背負った少年がキャンドルとホグワーツの寮の旗でいっぱいのホールに入っていく

冒険派のあなたに:ヨークシャーとその先へ

究極のロードトリップを計画して、定番を超える魔法のロケ地を巡りたいなら、ヨークシャーや北イングランドへ。ここではホグワーツが一層劇的に、風景の中に息を潜めて現れます。

ゴースランド駅(ヨークシャー)
ようこそホグズミードへ! 『賢者の石』で、ホグワーツ生が最初に降り立つ駅として登場。今も実働中のヴィクトリア様式駅で、マグル世界から魔法世界へ踏み出す瞬間が感じられます。ハグリッドがプラットホームで待っているんじゃないかと思えてきます。

アニック城(ノーサンバーランド)
象徴的な存在。ホグワーツで初めてほうき飛行のレッスンを受けた場所、クィディッチの初見を見せた場所。塔や中庭が飛行車や暴れ球 (Bludger) のシーン背景に使われました。現在はハリー・ポッターをテーマにしたツアーが行われていて、彼の足跡をたどることができます。

ダラム大聖堂(ダラム)
雰囲気満点のホグワーツ空間。初期のハリー・ポッター映画で通路や中庭シーンに使われ、回廊を歩くだけで変身術の授業を覗き見しているような感覚に陥ります。

おまけ:ハードウィックホール(ダービーシャー)
『死の秘宝』でマルフォイ邸として使われたエリザベス朝様式の荘園。威厳と陰影を併せ持った建物で、ホグワーツの暖かさとは対照的。ロケ地を全部チェックしたいファンには必見です。

スコットランド:ハリー・ポッター・ファンの楽園

ホグワーツの内部や城の中庭を巡ったあとは、自然が魔法の主役を担っている“荒野”へ足を伸ばしてみましょう。フルーパウダー(または列車の切符)を手に取って、スコットランドのハリー・ポッターロケ地の探検に出発です!

「ホグワーツは実際どこにあるの?」という問いに対して、スコットランドハイランド地方にその”心臓部”があるといえます。ただし本当に城そのものがそこに立っているわけではなく、広がる荒野、霧の立ちこめる湖、険しい山々が組み合わさって、ヒッポグリフが飛び去ったり、雄鹿の守護霊が遠くに現れたりしそうな風景。それがスクリーンの上で見るホグワーツの姿です。もしロンドンがシリーズの“脳”なら、スコットランドは“心臓”であるといえるでしょう。


王冠の宝石:グレンフィナン高架橋とホグワーツ特急

おそらく最も象徴的な実写版ハリー・ポッター撮影地のひとつ。ホグワーツ特急がスコットランド高地を貫く石橋をガタンゴトンと通り抜けるあの高架橋――それが グレンフィナン高架橋 で、フォート・ウィリアムとマレイグを結ぶウェスト・ハイランド線の一部です。

夏の間は、本物の蒸気機関車「ジャコバイト号」がこの路線を1日に2回走ります。映画からそのまま飛び出してきたような風景です。

訪問のヒント:訪れる前に列車の運行スケジュールと天候をチェックしておきましょう。丘の展望ポイントは多くのファンが集まるので、写真を撮りたいなら早めの時間に現地入りするのがおすすめです。


スコットランドでもっと魔法が感じられる場所

グレンフィナン高架橋を超えて、スコットランドには劇的な風景の中に隠れた魔法のスポットがたくさんあります。有名ではないかもしれませんが、その魅力は遜色なし。分霊箱を追う旅でも、ただ絶景を求める旅でも、旅程に加える価値ありです。

  • ラノック・ムーア(Rannoch Moor) ― ハイランドの奥地で、ホグワーツ特急の遠景鉄道シーンが撮られました。アクセスは簡単ではありませんが、城が丘にデジタルで重ねられている本物の特急体験ができます。
  • ロッホ・エーティヴ(Loch Etive) ― 『死の秘宝』のキャンプ場の一つ。遠くて美しく、風も強い!
  • ロッホ・アーケイグ(Loch Arkaig) ― ドラゴンの背からハリー、ロン、ハーマイオニーが飛び降りる湖。
  • ロッホ・エイルト(Loch Eilt) ― ダンブルドアの最後の安息地。複数の映画で小さな島として登場。
  • スピーン・ブリッジ駅(Spean Bridge Station) ― ホグズミード駅の撮影地のひとつとしてあまり知られていない場所。
  • グレン・コー(Glen Coe) ― ハグリッドの小屋、禁じられた森のシーンなどが撮られた場所。アラゴグが埋葬されたのもここ。
  • ロッホ・シール(Loch Shiel) ― ホグワーツ城を取り巻く湖。城は周辺の崖にデジタル合成で加えられています。

田舎道にあるホグズミードとナイトバスを指し示す木製の標識

エディンバラ:文学の魔法

スコットランドの大自然を歩き疲れたら、次は文化と歴史が息づく街、エディンバラへ。心温まる場所もあり、静かに本を読みたくなるようなスポットもあり。

エディンバラは、文学版のダイアゴン横丁のような街。ゴシック建築、秘密めいた階段、どんよりとした空模様――だからこそ J.K.ローリングがシリーズの多くをここで書いたのも納得。ビクトリア・ストリートやウェスト・ボウを散歩したり、“本物の”トム・リドルの墓があるグレイフライアーズ・カークヤードを訪れたり。街のあらゆる角にハリー・ポッターとのつながりがあって、本を読んでいたページの中を歩いているような気分になります。

要チェック!

  • Museum Context では公式のハリー・ポッターグッズが買えます。
  • MinaLima(ポップアップやイラスト系の書籍で有名な出版社)の支店もあって、コレクターにはたまらないアイテムがあります。

豆知識:

  • J.K.ロ―リングはシリーズの大部分をエディンバラで執筆。
  • ジョージ IV ブリッジ沿いにあるエレファント・ハウス・カフェ(The Elephant House)は「ハリー・ポッター誕生の地」と呼ばれることも(現在は火災のため休業中ですが、ファンは訪れて窓越しに写真を撮ったり思いを馳せたりしています)。
  • ホテル・バルモラルはローリングが『死の秘宝』を書き終えたホテル。部屋はスイート552で、今も暖炉の上に彼女のサインが残っています。

ウェールズ:隠れた魔法の宝石

ウェールズはイングランドやスコットランドほど撮影地の数は多くないものの、シリーズ全体で感情的に非常に意味のある場所をひとつ抱えています。

フレッシュウォーター・ウェスト・ビーチ(ペンブロークシャー海岸)
この風にさらされたビーチは、『死の秘宝 パート1 & 2』の重要シーンで舞台となった場所。ここにあったのがシェル・コテージ ― マルフォイ邸から逃れた後、ハリー、ロン、ハーマイオニーが避難したあの海辺の家です。

この場所はまたドビーの墓のある場所としても知られており、ファンにとって感情のこもったスポット。愛される家の妖精との別れシーンはシリーズでも忘れがたい瞬間です。

※注:撮影後、シェル・コテージそのものは解体されましたが、非公式ながらドビーの追悼碑が設けられていて、訪れた人々が石を置いたりメッセージを残したりしています。環境保護の観点から撤去論もありますが、現時点では存在しており、魔法を思い起こさせる感動的な記憶のひとつとなっています。

もし全部見て回りたいなら、このトラベルガイドを参考に旅程を組むか、独自の“ロケ地巡礼ツアー”をデザインするのもおすすめ。

霧と金色の光に囲まれた夜明けのホグワーツ風の城

「ハリー・ポッターのような雰囲気がある街」はどこ?

英国の多くの街が魔法の雰囲気を感じさせますが、特に際立っているのは以下の3都市です:

  • エディンバラ – ハリー・ポッター誕生の地。ゴシック建築や幻想的な雰囲気に満ちています。
  • ロンドン – 魔法界の“頭脳”。キングズ・クロス駅やダイアゴン横丁など、象徴的な場所が満載。
  • オックスフォード – ホグワーツそのもののような建築美。

本の中の世界に入り込みたいなら、雰囲気ならエディンバラ、建築ならオックスフォード、総合的なウォーキングツアーならロンドンがベストです。


「ホグワーツみたいな場所」はあるの?

完全にホグワーツと同じ場所は存在しませんが、映画で使われた実在のロケ地を組み合わせることで、まるで魔法学校にいるような気分になれます。

  • オックスフォード大学のホール(クライストチャーチなど)
  • アニック城(飛行レッスンのシーン)
  • ダラム大聖堂(変身術のシーンなど)
  • スコットランドハイランド地方(ホグワーツ周辺の自然)

これらを巡ることで、ホグワーツの“本物”の姿に一歩近づけるでしょう。


ハリー・ポッター・ツアーの計画方法は?

まずは「どんな魔法体験がしたいか」を決めましょう。

  • ロンドンだけの短期旅行?
  • それとも映画のロケ地を全部回る本格ロードトリップ?

行きたい場所が決まったら、時期や予算に合わせて旅程を作成。人気スポット(ワーナー・ブラザーズ・スタジオツアーやジャコバイト蒸気機関車など)は事前予約が必須です。

旅のヒント:
田舎や海外を旅する場合は、言語サポートに「Vasco Translator」のような翻訳機を用意すると便利です。

霧と太陽の光が差し込む山岳風景の中を走る蒸気機関車

【旅程別】おすすめのハリー・ポッター旅行プラン

◾️ 1日プラン:ロンドン+ワーナー・ブラザーズ・スタジオツアー

こんな人におすすめ: 短時間でも最大限に魔法を楽しみたい方、初めてロンドンを訪れる方、家族旅行など

  • 午前: ロンドン市内の有名ロケ地(キングズ・クロス駅、レドンホール・マーケットなど)を散策
  • 午後: ロンドン・ユーストン駅からワトフォード・ジャンクション経由でスタジオへ
  • 夕方: セットや小道具、衣装に触れ、バタービールを飲んだり、ホウキで飛ぶ体験を!

◾️ 2日間ミニ冒険:ロンドン+オックスフォード大学

こんな人におすすめ: 週末旅行、ホグワーツ体験、オックスフォード大学に行ってみたい方

  • 1日目: ロンドン観光+スタジオツアー
  • 2日目: オックスフォードへ移動し、以下を巡る
    • クライストチャーチの階段 ー マクゴナガル先生が新入生を迎える場所
    • ニューカレッジの回廊 ー ドラコとハリーの対決シーン
    • ボドリアン図書館 ー 禁書の棚
    • 神学部 ー ホグワーツの医務室
    • (+α: 車があれば)ブレナム宮殿 ー スネイプの子ども時代の回想シーン

◾️ 4〜5日ロードトリップ:イングランド&スコットランド

こんな人におすすめ: バランス派、自然好き、城や海岸線の風景が見たい方

  • 1〜2日目: ロンドン+オックスフォード観光
  • 3日目: 北イングランドへ
    • ゴースランド駅(ホグズミード駅のモデル)
    • ダラム大聖堂
    • アニック城
  • 4〜5日目: スコットランドへ
    • ジャコバイト号でグレンフィナン高架橋を渡る
    • ロッホ・シール、グレン・コー、ロッホ・エイルトなどを巡る
    • 最後はエディンバラで文学ツアーや魔法カフェへ

◾️ フル・イマージョン(7〜10日):究極の魔法の旅

こんな人におすすめ: ポッタリアン、映像マニア、旅行ブロガー

上記4〜5日のルートを基礎に、以下を追加:

  • スコットランドハイランドの奥地:
    • ラノック・ムーア(死喰い人が特急を止めた場所)
    • ロッホ・アーケイグ(湖の外観シーン)
    • スピーン・ブリッジ駅(ホグズミード駅の別撮影地)
  • ウェールズ:
    • フレッシュウォーター・ウェスト・ビーチ(ドビーの墓。靴下を持参するファン多数)
  • その他の寄り道:
    • レイク・ディストリクトやスノードニア国立公園(雰囲気重視)

旅のヒント: レンタカーやキャンピングカーで回れば、ハリー・ポッターのサントラをかけて気分に浸りながら気ままに旅ができます。ただしホウキは違法なのでご注意を。

ダイアゴン横丁を彷彿とさせる、明かりのついた店の窓が並ぶ狭い通り

イギリス以外でも!世界中のハリー・ポッター体験スポット

アメリカ:ユニバーサル・オーランド&ハリウッド

日本:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪)

ノルウェー:ヨステダール氷河

  • 映画のロケ地ではありませんが、デイビッド・イェーツ監督が『死の秘宝』の逃避行シーンのインスピレーションにしたとされる絶景が見られます。

旅のヒント:「Harry Potter: The Exhibition」という巡回型展示イベントもあり、世界中の都市でコスチュームやセット展示を体験できます。


持ち物チェックリスト

魔法の旅には、ちょっとした“魔法アイテム”を忘れずに!

  • 旅行用バッグ(必要なものすべてが入るバッグ)
  • 所属する寮のマフラー(写真撮影にぴったり)
  • Vascoの翻訳機(言語の壁を魔法のように乗り越える)
  • 傘とレインジャケット(イギリスの天気は占い学より読めない)
  • オフライン地図かこの記事をダウンロード(マグルの通信が消えるかもしれないので)

城の絵が描かれた本の上に羽ペンが浮かんでいる

まとめ

ロンドンのにぎやかな街角から、スコットランドの霧深いハイランド地方まで。ハリー・ポッターの物語は、イギリス各地の美しく壮大な実在の風景の中に息づいています。

映画のロケ地を巡りたい人も、物語の着想源となった文学的な場所を訪れたい人も、あるいは単に“ハリー・ポッターをテーマにした旅”を楽しみたいだけでも。この魔法の旅は、あらゆる人にとって忘れられない体験になるはずです。

ホグワーツからの手紙が届かなかったとしても、自分の足で魔法の世界を旅することはできます。必要なのは、ほんの少しの冒険心と、ちょっとした魔法の知識、そしてこの旅のガイドブック。

あなたの究極のハリー・ポッター旅行は、もうすぐそこに。

あとは、チケットを予約して、荷物をまとめて、画面の向こうに広がる魔法の世界へと一歩踏み出すだけです。

ダンブルドア先生の言葉を借りれば――

「最も暗い時でも幸せを見つけることはできる。灯りをつけることを忘れなければね。」

その灯りが、あなたを魔法の世界へと導いてくれることでしょう。

FAQ:

ホグワーツ城って実在するの?

実はホグワーツは、1つの城ではなく、いくつかのロケ地と映像技術を組み合わせて作られた“魔法の産物”です。
外観シーンは主にアニック城(Alnwick Castle)やダラム大聖堂(Durham Cathedral)で撮影され、図書館や医務室、大階段などの内装シーンはオックスフォード大学の建物が使われました。
「ホグワーツはどこにあるの?」という問いには、「完全に実在する場所ではないけれど、いくつかのロケ地を巡れば“リアルなホグワーツ体験”はできる」と答えるのが正解。
実際に訪れるなら、アニック城が最もホグワーツらしさを感じられる場所のひとつです。そこに、映画の魔法が加わって、私たちの知っているホグワーツが完成したというわけですね。
 

ハリー・ポッターはどこで撮影されたの?

ハリー・ポッターの世界は、イギリス各地に広がるロケ地で撮影されています。1つの場所ではなく、歴史ある大聖堂や大学、スコットランドの雄大な自然、ウェールズの海岸など、さまざまな場所が舞台になっています。
物語の魔法は、実際の風景の魅力と映像技術が見事に組み合わさって生まれたもの。ファンであれば、ロケ地巡りをするだけでも心が躍るはずです。
 

ハリー・ポッター・ファンなら、どこに行くべき?

ハリー・ポッターの世界に浸れる旅をしたい方には、こんなプランがおすすめです:
ロンドン:撮影スポットやグッズショップが多く、マグルから魔法使いの世界へ足を踏み入れるような気分に。
ワーナー・ブラザーズ・スタジオ・ツアー:映画の舞台裏を体験できる、ファン必見のスポット。
オックスフォード、ダラム大聖堂、アニック城:実際のホグワーツのロケ地で、映画の世界をリアルに感じられます。
スコットランド:物語の中でも登場する、迫力のある自然風景が広がっています。
ウェールズのフレッシュウォーター・ウェスト・ビーチ:ドビーが眠る場所としてファンに愛されるスポットです。
 
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